カルシウムと骨
カルシウムと骨
カルシウムは骨の材料になりますが、
骨自体は、体重の5分の1も占める臓器とされています。
その役割は多岐にわたり、体の柱、脳や内臓の保護、
カルシウムの貯蔵や血液の生産など様々です。
骨の役割は大きく分けて5つあります。
@体の支持
骨は体の各部分を支える柱となっています
人体には、大小の合わせて206個の骨があります。
206個の骨の重さは、男性で平均約5kg、女性で4kgで、
その中のカルシウムの重さは男性で1000g、女性で800gしかありません。
それ以外の骨の構成要素は、水、タンパク質、その他のミネラルです。
それぞれの骨は、つながったり、組み合わさっったりして
頭部や内蔵を支える身体の支柱となっています。
Aカルシウムの貯蔵
骨は、カルシウムを必要な時に使えるように、貯蔵庫としての役割があります。
カルシウムは、体の生理機能のために非常に重要な働きをするミネラルです。
そのため、血液中のカルシウム濃度は、常に一定の状態のレベルに保たれています。
骨はそのカルシウムの貯蔵庫で、血液中のカルシウムが足りなくなると骨から取り出し、
逆に血液中のカルシウムが多すぎるときは骨に貯蔵するしくみになっています。
B造血作用
骨中の骨髄で血液(赤血球、白血球、血小板等)を作ります。
骨の中には骨髄があり、骨髄には、赤色骨髄と黄色骨髄とがあります。
主に造血作用があるのは赤色骨髄です。
骨髄の中には、幹細胞という血球の元になる細胞があり、
それから赤血球や白血球が作られます。
若い世代には赤色骨髄が多く、
加齢とともに造血機能が衰えて脂肪細胞が増え、
黄色くなるので黄色骨髄の割合が増えてきます。
C運動機能
骨は、骨格筋とともに作用し、人の運動機能を支えています。
複数の骨が関節を構成し、
その前後に付く筋肉が収縮することで、運動機能が発揮されます。
例えば、肘の関節を支点として、
筋肉が収縮することで肘から先が持ちあがります。
つまりは、筋肉の収縮を、体の運動に転換す役割を持っています。
D内臓を保護する
それぞれの骨は、つながったり、組み合わさっったりして
衝撃に弱い脳や内臓を守っています。
脳は人体にとってもっとも大切な器官であり、頑丈な頭蓋骨によって守られています。
胸骨と背中側の胸椎、胸の周囲を囲む肋骨とで形成胸郭は、
心臓や大きな血管、肺などの臓器を守ります。
骨盤は、膀胱や腸、女性の場合は子宮や卵巣を守っています。